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ドラムセットは、大小様々なドラムやシンバル等の打楽器を一人の奏者が演奏可能な配置にまとめたもの。通常椅子に腰掛けて演奏する。主にポピュラー音楽で使用される。ドラムキット、ドラムス、ドラムセットの楽器パートや演奏者(ドラマー)を表す言葉としてドラムスとも呼ぶ。略称はDrまたはDs。 ドラムセットに組み込まれる打楽器類の種類や数は、奏者の好み・音楽的方向性・経済的事情等により多種多様である。
一般的なドラムセット
シェル(胴)の材質と成型ドラムシェルには様々な材質が用いられる。一般的にはバスドラからタムにかけてはウッド、スネアドラムはウッド、金属などが多い。しかし、まれにファイバーグラスや竹、チタン、アクリル、カーボンなど使用しているものもある。 まず、バスドラ~タムに多く使用されているのが、メイプル、バーチ、ビーチ、コルディア、マホガニーなどの材質が多く使用されているが、同じサイズ、同じヘッド、同じ環境、同じプライ数、同じヘッドテンション(チューニング)であればその音の出方は明らかに違う。さらに掘り下げると、製造された環境(温度と湿度)、胴のカラーフィニッシュ、ウッドの原産地によっても確実に差が出る。 よって、PAに頼らない「生音」を重要視する場合については、材質選びについて特に神経を使う必要がある。 通常、ドラムシェルの成型は、薄い板材に接着剤を塗り熱や圧力を加えて合板を作成、それらに接着剤を付け筒状に成型するやり方が多い。これが4枚組み合わされば4プライ、6枚組み合わされば6プライという事になる。プライ数が増えるといわゆる「胴の鳴り」は制限されるため、ソリッドかつタイトなサウンドになり、逆にプライ数が少なければ胴そのものも共鳴しやすくなるため鳴りやすい太鼓となる。しかし、プライ数が少なくなればおのずと強度の問題が出てくるため、最近の小プライシェルについては、胴の上下に補強枠(レインフォースメント)を取り付けているものが多い。 また、樹脂関係のシェルについては、環境変化の影響が極めて少なく(変化ゼロではない。温度変化には反応を示す)、またその材質の堅さからアタック音が非常に強調されるため、ハードロック系のジャンルにはまさに打って付けで、到底ウッドシェルには真似の出来ない音圧を出すことが可能である。しかし、逆を返せば小音量のコントロールが難しく、また材質の性格上、いわゆる「あたたかい」音を出す事は難しくなる。 次にスネアドラムの材質については、バリエーションが豊富でウッドから合成樹脂、金属(銅、真鍮、鉄、アルミ、チタン、合金)など様々。一般的に鉄は安価で、そのサウンドも一般的に可も不可もないといった感じである。その他金属胴で銅や真鍮などは管楽器で使用されるだけあり、共鳴率も高くそれぞれ特徴のある音色がある。銅シェルはウッドに近く、真鍮は鉄に近い。ウッドの場合、その材質もそうだが深さとプライ数に非常に関係が深く説明は困難である。同じ条件でも深さが変わるだけでとても同一条件のドラムとは思えないくらい音に変化が出てくる。これはタムタム以上にシビアな知識が必要で、事実多くのアーティストはその日の条件によって、スネアドラムを選択しステージやレコーディングに挑んでいる。スネアドラムの選択については、様々な情報を鵜呑みにする事はせず、必ず自分の耳で音色を確認し選択すべきである。 スネアドラムの選択を間違える(失敗する)と、すべてがダメになるというくらいドラムセットの中でも重要な楽器である。 口径と深さ一般的にバスドラムは20インチから24インチが多い。しかし、ジャズや小規模バンドの場合18インチという小口径を使うこともある。逆に26インチという大口径バスドラもあり、これはハードロックやヘヴィーメタルバンドで使用される。深さは14インチを基準に特注では22インチくらいの超深胴も存在するが16インチ程度が多く使用される。口径が大きいと低音が出やすく深さが深いと音圧が高くなる。 フロアータムは18インチ、16インチ、14インチの3種類が多い。 タムタムについては、8インチ、10インチ、12インチ、13インチ、14インチ、15インチ、16インチ程度が一般的で、まれに20インチという物も使用されている。 深さについては、例えば口径13インチを考えた場合、深さが9インチが標準胴、深さが11インチで深胴、13インチが超深胴という呼称がある。80年代は深胴が多く使用されていたが、現在は標準F胴クラスの深さが主流である。 また、裏面が存在しないタムタム(メロディックタムやコンサートタム、シングルヘッドタム等)もあるが、あくまでもアタック音重視で音質はあまり良くない。この場合は標準胴サイズ、若しくはそれ以上に浅い場合が多い(胴の共鳴が目的ではないため。胴そのものがないロートタムという物が存在するくらいだ)。 口径はかなり以前から変化はないが、深さについては時代の流れとともに変化が出てきている。浅胴から標準胴、そして深胴、そしてまた浅胴といった感じで流れているが、ここ最近はスネアをはじめ深胴の販売数が伸びてきている。 また近い将来、超深胴が復活する可能性も高い。事実、各メーカーでは最近深胴や超深胴のモデルを前面に出してきており、パール楽器に至っては30年近く超深胴のサイズはラインから外しておらず、TAMAについても縮小規模だった深胴シリーズを復活させてきている。 レイアウトセットのレイアウトは、演奏するジャンルによって様々。例えばジャズなどは小口径の物を使用するのが一般的で、一例をあげるとバスドラ20インチ、フロアー16インチ、タム12インチ、とこの程度でしかもすべて浅胴を使用する(スネアも同じく浅胴)。これはジャズならではで音圧は要求せず、それよりも歯切れの良さやレスポンスを優先するためである。逆にロック系はすべてが大口径、深胴に傾いたセットが多く例えばバスドラ24インチ、タム13&14インチ、フロアー16&18インチといった低音を強調するシステムが多い。理由は簡単で、ジャズのようなアコースティックバンドの場合、ロックキットを使用すればたちまちドラムの音ばかり目立ってしまい、「バンド」としてのアンサンブルが成立しなくなる。逆にハードロックにジャズキットを使用すれば、その音圧の低さや低音の細さからベースやギターにかき消されて、大規模PAシステムでも使用しなければ成り立たない。 しかし、点数では一概に言えず、ジャズでもタムやシンバルを多く使用しているアーティストも存在するし、ロック系ではこれ以上減らすことが不可能な3点セット(バスドラ、フロアー、タム)というパターンも多い。 この部分については、それぞれの好みになってくる。 間を取っているのが、フュージョン系のテクニカルサウンドで、点数が多いパターンがほとんど。これは、演奏の最中に多くのメロディアスなフィルインや「技」を多用するため、必然的に点数が増える。シンバルも同様、多い場合は10枚を超えるのは珍しい話ではない。 また、レイアウトにも流行があり、60年代は点数の少ない極小キット、70年代は反対に多点キット、80年代はさらに数が増えた超多点キット、しかし90年代から現在については60年代のレイアウトに戻ってしまっている。 80年代バブル絶頂期のバンドについては、バスドラを5個、タム10個以上、シンバル20枚といった常識外れのキットを演奏する奏者もいたが、単に見かけ倒しの色が濃く、純粋にドラムとしての機能を考えると何のメリットもないといったところだ。 結論は、点数にはまったく決まりがなくそれは各演奏者の好みであるが、口径や深さについては的を外すと、バランスが全く取れていないバンドに仕上がってしまうので注意が必要。 ドラムヘッド過去には動物の皮を使用していたが、今ではせいぜい和太鼓や一部のパーカッションだけになっている。これは、耐久性と製造コスト、管理の難しさなどが起因され、今ではプラスティックヘッドが普通である。 このドラムヘッドは、ある意味シェル以上に重要で、極論を言うとべニアプライの安物ドラムセットでも性能の良いヘッドを取り付ければとても安物には聞こえないような音を発する。 代表的なメーカーには、REMO、エヴァンス、アクエリアン、ラディックといったメーカーがあるが残念ながら国内メーカーでこれらメーカーに対抗できる性能を持つヘッドは今のところ存在しない。 まず、各社共通でこれらヘッドはアルミニウムのフープ(枠)にプラスティック板を取り付け、熱処理で形を成型する方法を取っているが、そのバリエーションは数十種類以上ある。打面用には厚く耐久性の高い物を使用し、裏面には薄く振動しやすい物を使う。フィルムの厚さはゲージといい、打面には一般的に500~2000ゲージ、一番薄いスネアドラムの裏側に使う(スネアサイド)で200~300ゲージ程度。 1枚成型の物はサスティーンが長く小音量に向いており、2枚重ね、または中心のみ2枚重ねの物は耐久性が強く、短いサスティーン、強烈なアタック音を発する事から激しい曲に向いている。 また、表面に特殊塗装をしているヘッドもあり(コーテッドヘッド)、ブラシの使用が可能である。最近では周辺にミュートの役割をする構造の物も増えてきておりチューニングが容易になってきている。 チューニングについては、基本形は打面よりも裏面を若干強く張るが、これはあくまで基本形でありこだわる必要は全く無い。 ヘッドの寿命については、打面の場合、表面の変形が目に付くようになってきたら交換時期である。これは、本来表面が平らな状態で震動が均等に伝ぱする事により本来の音が出る訳で、表面に変形があれば当然正しい伝ぱが行われず、分割震動が発生し、倍音や雑音が増えてくる訳である。裏面は、極論を言えば叩かないのでそのような変形は無いわけだが、シェルとエッジが接触している部分(ショルダー部)は、叩かれるごとに細かく振動している事になりその部分の劣化を考えるとやはり定期的な交換は必要だろう。 歴史欧米の軍楽隊にて、体に付けたバスドラム(大太鼓)の上にシンバルをセットする発想が生まれた。そして1894年、小太鼓奏者ディー・ディー・チャンドラーによって、足でバスドラムを打つペダルが考案された。 しかし、それまでは専らバスドラムとスネアドラムによって演奏されるような、マーチング・バンドの延長でしかなかった。そのドラムセットが劇的に変化する切っ掛けになった最大の発明がハイハットであると言えよう。これは元々、ジャズドラマーのベイビー・ドッズが演奏中に左足を規則的に動かしていたのを見た観客が「せっかくならその動きを利用できないか」と考えた結果生まれた、左足で二枚のシンバルを叩き合わせるペダル付の楽器「ソック・シンバル(別名:ロー・ボーイ)」という楽器を改良したものである。 これにより現代的なドラムセット並びにビートのスタイルが生まれ出たとされている。 ドラムセットに組み込まれることがあるその他の主な打楽器
バリエーション
ドラムセットの楽譜ドラム 左から、バスドラム、スネアドラム、フロアタム、ミドルタム、ハイタム。 シンバル 左から、ハイハットをペダルのみで演奏する場合、ハイハットをスティックで叩く場合、ライド、ベル、クラッシュ、チャイナまたはスプラッシュ(それぞれのシンバルについては、ドラムセットにおけるシンバルの種類を参照)。 また、ハイハットをスティックで叩く場合、指定が無い限りは閉じたまま叩いて演奏するが、開く時は譜の上に「○」が付き、閉じるときに「+」が付けられる。 しかしながら、元々ドラムというもの自体、確定的な譜面が無いものであるので、こういった音階による楽器の定義を疑問視する声もある。 主要ドラムメーカー
シンバルメーカー
電子ドラムメーカー関連項目
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