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ドイツ語(ドイツご、独: Deutsch, Deutsche Sprache)は、英語やオランダ語と同系のインド・ヨーロッパ語族・ゲルマン語派の西ゲルマン語群に属する言語の一つ。 ドイツ語人口は世界で約1億1000万人、そのうち約1億0450万人が第一言語としている[1]。近縁のオランダ語・アフリカーンス語と合わせた話者人口は1億6000万人である。 漢字では独逸語と書き、一般に独語あるいは独と略す。ISO 639による言語コードは2字が de、3字が deu である。 現在インターネットの使用人口の全体の約7パーセントがドイツ語であり、英語、中国語、スペイン語、日本語に次ぐ第五の言語である。サイト(ウェブ・ページ)数においては全サイトのうち約8パーセントがドイツ語のサイトであり、英語に次ぐ第二の言語である[2]。
ドイツ語圏ドイツ語を公用語としている国
なお、欧州連合の公用語の一つでもある。 1991年まではナミビアにおいても公用語だった。 公用語ではないが、ドイツ語が使用されている地域
にもドイツ語話者(通例バイリンガル)がいる。 方言俗に言うドイツ語とは、何十もの地域方言の総称で、大きく分けて北部方言(低地ドイツ語)と中部・南部方言(高地ドイツ語・中部ドイツ語)などに分けられる。ドイツは領邦国家に分裂している時代が長かったので、各地域ごとの方言の差異が大きいと言われている。南部方言は、「第二次子音推移」ないし「高地ドイツ語子音推移」と呼ばれる子音変化が起こったが、北部方言では起こらなかったので、子音に規則的な違いが見られる。南部方言はさらに中央ドイツ語と高地ドイツ語に分けられる。 現在標準ドイツ語(Hochdeutsch: 「高地ドイツ語」)と呼ばれるものは、主にテューリンゲン地方などで話されていた東中部方言を基にした言葉で、ルターのドイツ語聖書などの影響によって標準文語の地位を獲得した。よって今日外国語としてドイツ語を学ぶ場合、この標準ドイツ語を学習することになるが、ドイツ本国では完璧な標準ドイツ語を母語とする話者は少なく、どの地域も(例えテューリンゲン地方であったとしても)ある程度の「訛り」が存在する。 方言一覧地方分権が他の西欧諸国に比べて遥かに進められているドイツでは方言の公的地位が高く、中には低ザクセン語の様に独自の言語として保護されているケースも存在する。とはいえドイツ国内の保護は概ねドイツ語の一方言としての扱いに留まっている感が否めず、これに不満を持つ者と現状を支持する者との間で激しい議論が交わされている。
概説
歴史「ドイツ語」という語は786年 theodiscus(テオディスクス) というラテン語型で初めて文献に登場するが、これは「民衆の」という意味を表す古高ドイツ語の形容詞 diutisc から派生している。このテオディスクスはチュートン人(Teutone=トイトーネ、ドイツ語辞書によると、ゲルマン系で古高ドイツ人の先祖とされる)のラテン語形ともされる。 ドイツ語は時代順に、 とおよそ四つの段階に分類されている。 ドイツ語の原型となるフランク族の使用していた言語は、「第一次子音推移」と呼ばれる子音体系の変化によって古代ゲルマン語から分化し、紀元前2~3世紀ころに完成していただろうと考えられている。紀元後500年ごろまでに高地ドイツ語に第二次子音推移が起こり、低地ドイツ語との差異が明確になった。こうして「古高ドイツ語」時代が始まるが、この当時はまだ全ドイツ的な標準ドイツ語は存在しなかった。いわゆる「古高ドイツ語」は当時のドイツ語のさまざまな方言の総称であるにすぎない。現在までかなりの数の古高ドイツ語による文書が残っているが、その多くについては作者がわからない。有名なものでは9世紀初めの叙事詩『ムースピリ』や『ヴェッソブルンの祈祷書』、オトフリート・フォン・ヴァイセンブルクによる『福音書』などがある。また、当時の書き言葉ではラテン語が優位を占めていたが、多くのラテン語文書の翻訳も作られた。例えば『イシドール』、『タチアーン』、また、ザンクトガレンの僧侶ノートカーによる旧約聖書の詩篇などが挙げられる。 11世紀に入るとドイツ語による文献は増え、僧侶に代わって宮廷の騎士たちが言語の担い手となってきた。ミンネザングと呼ばれる吟遊詩人たちは自らの詩がなるべく広く理解されるよう、多くの方言の共通点を集約してドイツ中部より内陸部で大多数に通じるような中高ドイツ語を形成した。中高ドイツ語は古高ドイツ語と比べて母音が減少し、語尾の変化も単純になっているが、まだ新高ドイツ語よりは複雑なものだった。 中世末期から流布した民衆本は分かりやすいドイツ語で書かれていたが、まだ正書法もなく地方ごとに独自のやり方で表記していた。初期新高ドイツ語は表記にも一定の法則性を与える方向に向かって形成され、1522年ころ完成したマルティン・ルターのドイツ語訳聖書によって大きく発展した。 17世紀にはドイツ人の民族としての自覚が高まり、知識人の間では統一されたドイツ語を求める国語浄化運動が盛んになった。近代ドイツ語の正書法はこの頃より整備されはじめる(名詞語頭を大文字にするなどの工夫は、この頃生じた)。この思潮はロマン主義の時代に引き継がれ、グリム兄弟による辞書の編集やコンラート・ドゥーデンの正書法辞典などによって新高ドイツ語が形成された。しかし1998年8月1日に導入された正書法についてはいまだに論議があり、グリム兄弟の辞書が完成したのは着手から100年以上経った1961年だったことも考えると、他の全ての言語と同じように、ドイツ語もいまだ形成過程にあると言えるだろう。 元々、統一以前の連合諸侯時代のドイツ語では、民族をあらわす Teutsch (トイチュ)が同じ言語を解す民族の間で共通の言語名とみなされていたようである[3]。18世紀末になりプロイセン王国によって国家が統一されると、統一国家名としてTeutschを語源とする Deutsch (ドイチュ)が採用されたため、ドイツ語も Deutsch と呼ばれるようなった[要出典]。オランダ語では Duits(ドゥイツ)という。これが江戸時代に日本に入り、「ドイツ」になった。 英語との異同言語学上、英語もドイツ語と同じインド・ヨーロッパ語族のゲルマン語派に属し、つい2千年ほど前までは同一の言語であったと考えられているため、共通点が多い。しかし、各言語がたどった歴史的背景から(とりわけ中世以降)、相違が広がった。以下に主なものを記す。
日本との関係日本におけるドイツ語の影響日本では、西洋医学を輸入する際にドイツ人教師を招いた影響もあり、多くの医学用語がドイツ語から借用され、かつてカルテはすべてドイツ語で書かれていた。 カルテの語源 Karte は英語の card(カード)と同じである。 また、エネルギーなどの物理学・化学用語、さらにはアインザッツなどのクラシック音楽用語(音名なども、ドイツ語名を使う人が多い)、ピッケル、ザイル、シュラフのような登山用語、プルークボーゲン、ゲレンデ等のスキー用語などにも使われている。これらはいずれもドイツあるいはオーストリアで盛んだったものを日本に移入した結果である。例えば、クラシック音楽はドイツ・オーストリアからモーツァルト、ベートーヴェンといった著名な作曲家・演奏家が輩出し、クラシック音楽の中心とされてきたことによる。ベートーベンの歓喜の歌は、日本でもドイツ語で歌われることが多い。また、日本にスキーを紹介したのはオーストリア・ハンガリー帝国の軍人のレルヒ少佐である。 その他、グミ(元々はゴムを意味する)や、学生用語のアルバイト(ただしこれはドイツ語では「(専業としての)仕事」という意味であり、日本語で用いられる「アルバイト」は一般に Job という)などもドイツ語に由来している。 このように、日本語で用いられているドイツ語由来の語は必ずしも本来の意味を正しく反映していない、あるいは複数ある意味のうち一つのみが用いられていることがあるので、ドイツ語を話すもしくは学ぶ際には注意が必要である。 なお、昔の左翼用語にはドイツ語に由来するものが多かった(パルタイ、ブント、ケルン、ゲバルト、内ゲバ等)。これは当時の左翼の主流であるマルクス主義のマルクスやエンゲルスの原著や、マルクス等に影響を与えたヘーゲルをはじめとするドイツ観念論やヘーゲル左派などのドイツ系の哲学の原著がドイツ語で記述されていたことの影響である。 日本におけるドイツ語学習ドイツ語では、一般名詞、代名詞、冠詞、形容詞に主格・属格・与格・対格の区別があり、日本のドイツ語教育では伝統的に1格(主格)・2格(属格)・3格(与格)・4格(対格)と呼ぶが、ドイツ語圏をはじめ欧米ではほとんど使われない。また、この名称は他言語と共通性がないので、比較言語学、言語類型論の立場からも勧められない。 文字英語と同じラテン文字に変母音(ウムラウト; Ä, ä, Ü, ü, Ö, ö)とエスツェット (ß) を加えた30文字を使用する。なおßは語頭に来ることがないため、大文字は無い。ウムラウトやエスツェットが表示できないときは、
と代用表記することになっている。ドイツ語のマンガ等では台詞などが大文字で書かれることも多く、その場合ßはSSで書かれるが、まれにßで書かれることもある。無論、ßはギリシア文字のβ(ベータ)とは全くの別字であるが、βで代用される事も少なくない。
音韻ドイツ語音韻論を参照のこと。 文法ドイツ語の文法を参照のこと。 表現b:Transwiki:ドイツ語の表現集を参照のこと。 脚注関連項目
外部リンク
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